来たよ

 かれこれ一ヶ月以上滞っている小説の更新であるが、滞っているのは執筆作業であって僕の脳内ではすでに30回は最終回を迎えている。夢のなかで最終話を送信し終わり、窓際に座って一人黄昏ていると目が覚めるのである。そういうとき、「ああ、夢なら覚めなければよかったものを」と本当に思うのであった。そして、現実世界で執筆するのが面倒くさくなってしまう。そして、早く書かなければ!という罪悪感からまた夢を見るのであった。デフレスパイラルも真っ青な、見事な悪循環である。
 しかし、今日はどうであろう。奇跡の泉かのごとく僕の心から言葉が溢れ出して来るではありませんか。お粗末なタイピングではとても追いつかない。どうしようどうしよう、とうろたえている間にも文章が生み出されてくるので必死に追い縋るのであった。いや、むしろ追いかけられていた。いつの間にか、僕は小説と言う得物を狙う捕食者から小説に狙われる草食動物になっていた。それでも構わないと、ひたすらにキーボードを叩き続けた、かったのであるが、エンジンのかかった5分後にはバイトに行かなければならなくなったため、結局本日の配信には至らなかった。


 ほ ん と ご め ん