兄の頭が狂っている

 人間眠らなければ駄目である。昨晩5時までかかったレポートを提出した帰り道、電車で居眠りしていると何者かに肩を叩かれた。お客さん、終点ですよ。世に良く聞く名台詞は実在するのだと驚き跳ね起きた。車掌さんに起こされるという素晴らしい経験をできたが、慌てて飛び出したため折りたたみ傘を車内に忘れてしまったのが残念である。
 そういえば最近、というか10年くらい前から兄様の様子がおかしい。ストレスの影響であろうか、時折、というか毎日30分は理解不能な言葉とともに理解不能な行動を繰り返しているのである。大丈夫であろうか。
 むしろ心配なのは兄様のストレス発散先にされ続けている僕の方である。なんとか精神は安定を保っている不思議なくらいだ。常人であればとても耐え切れないであろうDVなだけに、自分が普通じゃなくて本当に良かったと感謝した。つまり非常に不本意ではあるが、頭のおかしな似た者兄弟なのである。