芋緑ツアーの続き

 最大の難関である集合をお約束の遅刻で果たした僕らは、僕とTAKA氏という芋緑への道を知る者の案内によってツアーを開始した。
 僕が運転する車は一般人ならなぜか気づけない道を通り、無事に芋緑町へと辿り着いた。当初の予定では芋緑パレス(町役場)を見学するはずであったが、税金の無駄遣いで完成した城へわざわざ赴くのはガソリンの無駄遣いではないか。と考え中止した。そのため、まずはTAKA氏の自宅で一向は一息つくこととなった。
 TAKA氏の家は雛見沢と時空を超えたリンクを張っており、我々はしばしの間ひぐらしの鳴き声に酔いしれた。特に白樺の妖精はひぐらしと共鳴するのかしきりに身体を動かしていて落ち着きが無く、やけに気に入ったようであった。
 雛見沢に後ろ髪を引かれる思いを振り切って、最近できたハイカラなピザ屋さんで昼食をとることとなった。芋緑もどんどんナウイ町になっており、生まれながらの田舎者の僕にはちょっと付いていけないが、乗り遅れないためにちょっと背伸びしてのピザ屋さん初来店なのであった。特に面白みもなく、普通にブロッコリーが美味しかったです。
 そしてツタヤで占いと声優と最終兵器な彼女と女子高生な木乃にときめいてから僕の家へ行くことに。この日のために家族総出で大掃除をした成果で、下々の者が住む住居である我が家も高貴な市民の方々の許容範囲にはいったようであった。
 時間一杯まで我が家でくつろいでいただいた後、エイトさんに帰路へと続く道へ入るための魔法の呪文と道具を授けて解散となった。
 満足していただけたのかと一抹の不安はあったが、僕らは出来うる限りのことをしたつもりであった。願わくば、彼らが「芋緑は良い所だった」と市の仲間たちに評判を広げてくれれば。