後悔はしていない

 昨日の予告どおり、テストはわかりませんでしたが、後悔はしていません。それよりも、もやもやとした気持ちが僕の胸を支配しています。
 その女人はカンニングをしていました。授業のプリントをテスト中に盗み見るという酷く単純なカンニングでした。きっと女人は満点をとったことでしょう。分からない問題があるたびに机の中を覗いていましたから。僕はといえば半分取れているか怪しい状況です。
 上手いこと生きている人間を羨ましい、そうありたい、と思う僕ですが、あれは違います。あんなことをしなければ上手く生きられないのなら、下手くそに生きているほうが断然ましです。しかしながら、あの女人がS評価をもらい、僕はBかCをもらうというのは納得のできない憤りを感じずにはいられません。その評価の差こそが、上手く生きているかどうかの差でしょうけど、あんなことをしてまで手に入れたい差でしょうか。
 負け犬の遠吠えに聞こえるかもしれませんが、『所詮、学校の成績ごとき』のためにそこまで腐った輩になりたくありません。僕は汚いことをまったくしない、とは言いません。僕も汚れた人間の一人です。ですが、ああ、もう何が言いたいのかまとまりません。とにかくむかむかのもやもやです。