雨のなか消えていく父様の背中を、僕らは何も言わずに見送った

 ポケモンバトルの動画はないかと、ようつべを彷徨っていると子供向け番組で小学生と対戦しているしょこたん、こと中川翔子の動画があった。
 早速観賞。
 ……鬼! 悪魔!
 しょこたんは小学生をぼっこぼこにやっつけていた。大人のポケモンバトルは違うのだと見せ付けるかのような圧勝っぷりであった。
 でも、しょこたんは正しい。終盤、負けそうになった小学生が「手加減してください」などとのたまったとき、「は? 手加減? しないよ」としょこたんは言いきった。迷いも無く、曇りの無い眼(まなこ)でずばっと。社会は甘くない。ポケモンバトルを通じて、しょこたんは子供達を成長させたように思われた。
 ポケモンにも強いのと弱いのといるわけで、当然、強いのを使えば強い。だが、使い方しだいでは能力の差を跳ね返す活躍をすることもできる。実はポケモンは奥の深い戦略ゲームなのである。
 しょこたんはこのバトルにおいて、映画なんかで扱われるようないわゆる“伝説系”のポケモンを使用していない。普通にゲームをしていれば誰でも手に入れられる普通のポケモンで戦っているのだ。だからしょこたんが圧勝しても、それは良いことだと思う。


 というか、どうして僕はポケモンしょこたんについてこんなに熱く語っているのだろう。別にしょこたんが好きなわけではない。もちろん、この間ヤングアニマルでグラビアやっていたのを食い入るように立ち読みしてしまったことが影響しているわけではない。それはもう断じて違うのである。
 しにがみのバラッド。の実写のモモをやっているから、むしろ嫌いなはずなのに、僕はどうして……。