ドラクエしかやらないはずが、黒い悪魔に遭遇した。
ここに住み始めてから初めての対境。
僕には武器がありませんでした。
唐突に足元を駆け抜けられて死ぬかと思ったよ。
新聞紙で叩いたくらいでは、簡単に倒れてくれない敵だということは分かっていた。
だから、殺虫剤に変わる決定打が欲しかった。
僕がチョイスしたのは、食器洗い用洗剤。
昔、聞いたことがあった。
悪魔は皮膚呼吸で生きてるから、洗剤をかけられると息ができなくなる。
さらに、やつらのボディをコーティングする油分を、界面活性剤が瞬く間に分解。
死に至る、と。
僕には他の選択肢は残されていない。
これでだめなら、今晩は眠れないぞ…。
緊張の一瞬、足元にいる奴に狙いを定め、洗剤を・・・っとこぼしてしまった。
外付けHDDになOrz
だが、奴も僅かながら被弾した模様。
どうだ、明らかに機動性が落ちているではないか。
噂は真実だった。
奴は壁を駆け上った先で、頻りに触覚と足を舐めていた。
相当利いているらしい。
さらに攻め入りたいが、天井付近の壁に向かって洗剤は打てない。
膠着状態が続く。
先に動いたのは僕だ。
手にしていたのは、デオドラントスプレー。
手の届かない位置にいる奴に、唯一届く武器だった。
突然の突風に慌てて走り出す奴。
馬鹿め! 狙い通りの方向だぜ!
左手のデオドラントスプレーを放り投げ、即座に洗剤をつかむ。
右手に握りしめた新聞を、力の限りにフルスイング。
チャンスは一度きり、こんな大きな音、深夜に何度も出すわけにはいかないんだよ!
思い出したくない手ごたえとともに足元へ落下する奴。
こんなことで大人しくなる奴ではない。
着地と同時に動き出すはず。
中学時代、卓球部部長を務めていたTOMOと友達の僕の超人的インパルスと集中力をここで解放!!


いっけえぇぇぇぇぇええええ!!!


落下中に洗剤のピンポイントショットが見事炸裂。
受け身も取れず床に叩きつけられ、もがき苦しむ『G』
さらに追い打ちで洗剤を満遍なく、遠慮くなくぶっかける。
そして、奴は動かなくなった。

…勝った!


洗剤まみれの奴をゴミ袋に厳重封鎖して、コンビニに捨てに行きました。
卵抱えてたら最悪だもんね。


あー怖かった。
部屋狭いけど物が多いから、隠れられると本当に恐怖。
何とか洗剤で倒せたけど、後始末も大変だった。
HDDも名誉の負傷だし。
殺虫剤買ってくるかなー。