裏切りの報酬
僕を裏切ることで誰かが報酬を得たのだろうか。
僕を裏切るという行為にはいったいいくらほどの価値があったのだろうか。
きっと1銭の価値もなかったに違いない。
なぜなら、裏切られたと思っているのは僕だけだから。
他人の心の内なんか見えなくて、だから遥か昔の一言なんかを根拠に信じていたのは僕の勝手。
相手にとっては僕はただの大勢の中の1人にすぎないのだから。所詮はその程度の存在だったのだから。
僕の期待した通りの展開が待っていなかったからと言って、裏切られたと思うのはおこがましいことだ。
気持ちの整理もついた。
大丈夫。信じる前に戻るだけ。
なんてことは無い。
戻るだけ。
2カ月かけて進めてきたプロジェクトが根本から覆される事態に陥った。
2カ月分の仕事が水泡に帰す時、僕の心は不思議と波立つことはなかった。
ただただ、事実を眺めることしかできなかったのだ。
それでもやはり水泡は水面を揺らしていて、時間が経つにつれて虚しさとか悲しさとかが溢れだしてくる。
もっと早く言って欲しかった。
あと、できれば直接言って欲しかった。
なんか、疲れちゃったよ。
もう寝る。