間違いない。あの会社は俺を※す気だ。
 でなければ説明がつかない。この仕打ち。
 俺があまりにもしぶとく生き残るものだから、奴ら目に見えて積極的に出てきやがった。」


 くっ。よせばよいものを。
 俺の中の深淵闇邪竜を成長させてしまうだけの行為だとなぜ気がつかないのだ!


 今はまだいい、俺が俺自身から真闇を吸収しつつ自我保つことで辛うじて深淵闇邪竜の活動を抑え込めている。
 だがこれ以上負の力を取り込んでしまうとまずいことになる。
 俺というファクターが深淵闇邪竜を抑え込むという用途から一転し、深淵闇邪竜の成長を促進するフィルターとなってしまう。
 オーバーフローした真闇は電子レンジで加熱した液体のように突沸を起こす。
 その瞬間は予兆もなく、あまりにも唐突にやってくるはず。
 そうなったら最期だ。
 俺自身が深淵闇邪竜に取り込まれ、もはや手のつけられない化物となってしまうだろう。
 抱え込んだ真闇は数万倍にも増幅され煉獄滅殺衝をも遥かに凌ぐ大厄災となる。


 俺にはそれをとめなければならない使命がある。
 それが俺の原罪へ課せられた罰であり、また生きる理由なのだから。


 とにかく、これ以上真闇を吸収するのは避けるべきだろう。
 会社でのことは極秘裏に解決すべきだ。
 幸いなことに俺のなかに深淵闇邪竜が眠っていることを知っている人間はいない。
 俺が何とかすればよいだけだ。


 やれやれだぜ。