面倒なことだ

 家庭教師に行くところでK君からメールが届いた。なんでも僕をサンドバックにしたいらしい。最近彼とのコンタクトはなかったので、そのことを怒っているのだろう。これからはこまめに連絡をとろうと思った。
 直後にS君からメールが届いた。最近迷惑メールしか届いていなかったので、ちょっと嬉しくなった。まだ僕のことを考えてくれる人が世の中にいたのだと知り、幸福感に包まれる。が、内容を確認し、頭が痛くなる。厄介なことになった。面倒くさかったので、とりあえず見なかったことにしてご家庭に訪問する。目が覚めたら嫌なことが全部なくなっていると信じる子供のような逃避振りであった。僕は、いまだ少年の心を忘れない清らかな青年なのである。


 目を覚ましても現実は変わっていなかった。仕方がないのでフォローをしておこうと腰を上げる。が、どう言えばいいのか悩んでいるうちに他の皆様がどんどん話を進めていた。僕、ちょっと出遅れる。
 出遅れたが出遅れた発言を残すことにしておいた。面倒くさいことは本当に嫌いだ。将来は何のしがらみのない引きこもりになりたいと本気で思った。