くはっ

 朝目覚めると枕元の靴下にはプレゼントが詰まっている。それをみて喜び、ドキドキ期待と不安を胸に包みを開く。満開に咲き誇る笑顔の花。受け取った子供もそれを暖かに見つめる大人もほら、幸せな空気に身を委ねている。


 となるはずだったのだが、残念なことにいくら探しても靴下の中にプレゼントを発見することはできなかった。よくみれば吊るしておいた靴下には穴が開いていた。これではプレゼントは落ちてしまうではないか。僕、ちょっと失敗。早速靴下の下方を確認した。が、やはりプレゼントはなかった。
 不思議に思った僕はタンスにしまわれた靴下も全部調べたがそれでも何も見つからなかった。もしかしたら渡す相手を間違えたのかもと家中の靴下を見回った。
 結局父様の靴下の中に現金3万円を発見できた。ありがたく懐にしまいこむと父様が、母様には黙っていてください、と僕に耳打ちしてきた。なぜだか分からないが父様は自分の靴下に現金が入っていたことを母様に知られたくないらしかった。僕はおもむろに頷いて母様にクリスマスプレゼントを見せに行った。