再び挑む

 教習所の予約を間違えていたのため、教習日を変更するため足を運んだ。轟に会わないように注意深く城内を進み、予約カウンターにて事務作業を済ませる。明日、見極めとなった。
 ついでにインターネット予約サービスに申し込んだ。これで、恐れおののきながら予約に行かなくてすむ、という算段だ。申請は10秒で終わった。
 そういえば、予約カウンターにて僕の相手をして下さったお姉さんはとても可愛かった。飛び切りの美人でも、頬の肉がだらしなく緩む程の可愛い顔をしている訳でもなかったが、僕の守備範囲真正面の素直な打球であった。僕は知人の間では、どんなヒット性のあたりでもがっちりキャッチすることから「名手カノソ」「いぶし銀」と呼ばれているが、もはやエラーなどありえないゴロであった。
 だからといって、どうする訳でもなかった。ただ、この人が担当教官だったらいいのにな。と思っただけで終わった。
 ひとしきり愛でてから(失礼のない程度)帰宅する。
 明日は教習所に行く前に役場に行かなくてはならない。なぜなら、僕が早くも二十歳になってしまうためであった。誕生月の20日までに年金の申し込みに行かなければならないのであった。僕は馬鹿なので、今まで散々暇してきたくせにぎりぎりになって焦燥しているのであった。
 年金は高い。僕のバイト代はほとんどそれに消えてしまう。それではあまりに悲しいので今年からバイトのシフトを週1増やしていただいた。借金が嫌いなので、滞納手続きはしたくないのである。
 ちなみに、僕の誕生日は24日である。毎年両国国技館を貸しきって盛大に誕生日会を開くのが恒例なのであるが、正直面倒臭いので困る。僕は質素なのが趣味なのであった。