怠惰な毎日を送る事すら、怠惰にやっている

 夏休みも後半に差し掛かり、僕は腐った卵のような毎日をすごしている。
 冷蔵庫で腐らされた卵は大概気づかれずに長い時間放置される。卵を腐らせるような管理状況だから仕方がない。皆さんはご存知だろうか、卵を冷蔵庫に放置し続けると卵の内部から水分が抜けていってしまうのを。最後には殻のみの卵になってしまうのである。そうなった卵を振るとカラカラと音がするらしい。蒸発できなかった卵黄の薄膜が干からびているそうだ。
 傍目には腐ったことすらわからない卵も、いざ手に持って見ると中身がない。恐ろしい話だ。人間だって同じである。普通に見えた人が気づかないうちに中身を腐らせ、そして空っぽになってしまっているかも知れない。問題なのはそれが分からないこと。賞味期限に注意していなければ取り返しのつかない事態になってしまう。人間の賞味期限は、いったい何日あるのだろうか。


 などということはまったく考えずに、タオルの吸水力は何回洗濯機にかけたときに最大に達するのか、というテーマで自由研究ができないかと考えながら週に一度のお稽古事に通ってきた。今日も甘い時間を過ごさせていただいた。帰り道に小学生の夏休みは終わっていることに気づく。いまさら自由研究のテーマを考えても手遅れであった。ショックで衝動買いしたアイスでお腹を壊してしまった。家に帰ってカレンダーを見ると今日は仏滅であった。納得する。