S=R

 この時僕はシンフォニック=レインを彼に強制的に貸しました。どうしてもやって欲しかったのです。
 シンフォニックレインは一般的にはギャルゲーと言われる部類に入ります。一般人は間違いなく手を伸ばすことのないジャンルです。ですが、これほどのストーリーを僕は他に知りません。というか、もはやこれはストーリーではないです。フィクションのなかに観る究極のリアルがこのゲームにはあります。舞台設定や登場人物(一部人間ですらない)はもはやリアルとは程遠い世界ですが、ここには途方も無い現実と、そして嘘が詰め込まれています。これをギャルゲーなどと片付けられたら勿体無さ過ぎです。
 こんなことを言われても、やったことのない人にはまったく興味も湧かなければ、やる気にすらならないことと思います。だからこそ強要させてもらいました。やれば分かる、いや、これはやった人にしか分からないんです。一度、一人のエンドに辿り着いたとき理解します。是非やってください。
 このゲームに登場するすべてのキャラクターは憎悪の対象で、そして心から愛しく思えるので。