オーブンで焼かれるってこういう気分なんだろうな。と思う晴れの日光線

 窓も開けない部屋にこもってピアノと格闘する。指がつりそうになった。楽譜を目で追いながら指を正しい位置に置くことがかなりの困難を要する。華麗な演奏ができるようになるのはいったいいつのだろうか。
 軽く鬱になる。
 だがピアノは楽しい。いや、音楽が楽しい。高い音、低い音、なんてことはない、ただの空気の振動である。それを美しい、ウキウキする、暗い気持ちなると、人間が解釈する。その認識がみんなほぼ同じであるところが面白い。共通した感性なのだ。
 では、僕が楽しいと感じる音の流れを、また悲しいと感じるメロディーを、怒りを彷彿とさせる旋律を、表現したとき、どうなるんだろうか。