ドラム

 会社から帰ってきたら、ドラムとバスの重低音が僕を迎えてくれた。
 おまけに女性の歌声つきである。
 疲れ果てた僕は高鳴る鼓動を抑えることができなかった。
 足は自然とバスのリズムを追い、腕は見えないスネアを豪快に弾く。


 僕『ドッ、ドッ、ドッ、ドッ』
 ドラム『ツクツーツクツー』
 下の女『あうあうあー』


 ここに、床と天井を分けた2部屋のアンサンブルが誕生した!


 結果、下の家はステレオの音量を上げた。
 うるさかったらしい。
 ごめんよ。