合成肉

 会社の隣にあるスーパーにてトンカツが特売していた。
 このように肉肉しいものを自宅で食したことは一度もない。
 普段は野菜が主食な上に、貧相なバリエーションの料理つくらない。
 貧相でちんちくりんな僕だった。
 ダメダメな食生活である。
 穴を掘る力も湧いてきやしない。


 だが、雪歩の中身も一新され貧相な胸も成長を果たした今、このままではいけない。
 そう思った。


 トンカツを購入し、うどんと一緒に食す。
 給料前でお金がなく米のストックが切れたため、うどんとスパゲッティー(特売品)が主な炭水化物である。
 さて期待の肉の塊のお味は……。
 うん。すっごい合成肉っぽい。
 美味しくない。


 惣菜って当り外れが多くがっかりさせられることが多々ある。
 しかしそれゆえにギャンブル性があってたびたび買ってしまったり。
 もしかして、そうやって消費者心理を操作して売上を伸ばしているのであろうか。
 練り物っぽい肉からは練るに練られた策略の味がする。