二人きりで会話なんてできませんから〜

 僕という人間は、どこまで行っても不器用に出来ているということを再確認した。
 今日は夏旅行の企画会議を相方と行った。今回は宿泊先を決める会合であった。神津島は素敵なところで、観光事業に力も入っている。だから泊まれる場所は山ほどあるのだが、如何せん詳しい情報が分らない。どこも同じに見えてきて、どこにしたらいいのか全く分らなかった。
 途方に暮れた僕ら二人。風邪が治りかけで鼻づまり声の僕には、場を和ませたる名案を言ってのけることはできなかった。いや、風邪は言い訳である。只単に上手く話せなかっただけだ。悔しさで涙がでそうであった。
 脳内では女の子と小粋なトークで花咲かせる僕である。リアルの人間にはこうも弱いとは思わなかった。しかも慣れ親しんだはずの人間相手なのにも関わらずである。情けない!あまりにも情けないではないか!!
 さらにヴァーチャルでイメージトレーニングをつまなければと思った。


 宿泊先の候補もこっそり決まった。別になんにも出来なかったわけではない。なにせ相方は有能な人である。無駄に終わるなんてことは無いのである。彼女が相方でよかったお…