歩いていける場所


晴れやかな時は空をみて
落ち込む時は足元をみて
僕は変わっていける
大きく息を吸い込めば
胸が張る


 教習所へ行きました。若い人が一杯いました。みんな僕よりも遅くに入所したのに、僕よりも先に進んで免許取得を目指して励んでいるのでした。あのころには戻れないんだなと思いました。殆ど泥のような水でいくら顔を洗っても顔は綺麗にはならないのです。家に帰って体育座りしたくなりました。
 なんとか顔を隠しながら教室に移動しました。必死に顔を隠していても若人の興味は引いてしまうでした。みんながみんな僕を嘲笑を浮かべながら観察しているのでした。学科の教室で席に付きながら、絡み付く視線はきっと僕が大層臭うからであろう、とぶつぶつ念仏のように自分に言い聞かせ続けました。だから今度から消臭スプレーを身にまとってくれば大丈夫なはずだ、と前向きに考えることで僕の精神は崩壊一歩手前でギリギリのバランスを保っていたのでした。そしてなぜか鼻水が止まらないのでした。
 自身の限界を感じて、前日に決意していた社会復帰項目の半分ほどのところで帰宅することを決意しました。僕は無理をしないタイプの人間なのです。その性格こそが引きこもりになった元凶なのですが、今はそれが非常に賢明な判断だと思えました。一応の保険として教習の予約を入れてきました。予約はキャンセルすると¥4200徴収されてしまうので絶対に教習所に来なければなりません。
 帰宅、そして『ロボットつくろうぜ』をやりました。膝を抱えながらゲームをやったため、涙で膝がびちゃびちゃに濡れてしまいました。


 僕にしては頑張った方だと思います。