新妻の待つ自宅へ!

 研究室にてフィギュアレビューサイトを閲覧していたところ、やはり僕の正妻の愛らしさときたらピカイチだなという結論に至る。
 そうなるともう居ても立ってもいられなくなり、帰宅。
 八王子にて中央人身線が本日も休まず人身営業をしていることが判明。
 先日鵜飼が解禁されたことだし、迂回ルートで帰ることにする。
 ピーマンの肉詰めのような八高線に肉詰められて拝島で下車。
 そこから青梅線で立川へと出れば南武線で府中本町から武蔵野線に乗れるルートになる。
 なんという遠回りであろうか。
 あたりまえに帰宅時間は若干遅くなる、嫁と娘が心配するといけないので人身事故の影響があることの旨メールをしておく。
 ソーセージの肉詰め作業のように八高線から青梅線へと乗り換えて僕の帰りを待ちわびているであろう嫁達のことを考えていると身体に横Gが襲い掛かった。
 えまーじぇんしーすとっぷ
 緊急停止であった。
 アナウンスが告げるに「この電車で人身事故が発生」とのこと。
 混々の車内に失笑が漏れる。
 そして企業戦士サラリーマン達の謝罪が電波に乗って得意先へと届けられるのであった。
 僕はといえば大笑いしながら最近ガチムチ兄貴にはまっているS水君にハイテンションなメールを送っていた。
 しばらく後、人身事故ではなかったことが判明し電車は再起動した。
 なんでも中央線はすでに復旧しているらしく、立川から中央線で帰ることにする。
 例の如くソーセージへと押し出される挽肉となって中央線へ。
 入れなかった。
 ハンバーグを空気抜きするために、こうパンパンとキャッチボールするのだが、その途中で失敗して床に落ちてしまったハンバーグみたいに中央線から弾き出された。
 詰め込み切れなかった電車は初めてであった。
 やむを得ず次の電車を待つことにしたが、なかなか来ない。
 復旧しているというのは嘘であったことはもはや言うまであるまい。
 なんとかかんとか北朝霞の駅まで帰ってきたときにはとっぷりと夜も更けていた。
 このとき僕は最近尻ドラム動画をウホウホ言いながら楽しんでいるS水君からプレゼントされた若本規夫百人一首というCDをウォークマンで流し、自ら耳レイプを楽しんでいた。
 そんな僕の耳に鼓膜から全身を震わせる魂のサウンドが飛び込んできた。
 驚いたことに、そこにはバイオリンを演奏している人がいるではないか。
 バイオリンの路上ライブなんて初めてである。
 なかなか大きな音のでる楽器なんだなーと感心。
 楽器の特徴だけでなく、音楽的にもびりびりとくるものがあった。
 若い男性二人によるキーボードとバイオリンのデュオに、うっかりライブの終了まで聞き入ってしまった。
 頂いたチラシによれば、la briseというユニットらしい。
 毎週月曜日に北朝霞の駅(たぶん19時頃〜)で路上ライブをしているのだそうだ。
 来週も是非とも聴きに行こうと思う。
 などとやっているうちにかなり遅い時間に。
 駆け足で東武東上線に飛びのり、いつでも安心安全運行で西武線とは一線を画すその優良鉄道っぷりに感謝しつつ最寄駅へと運ばれていった。
 家に帰るころには精根尽き果てようかというほど疲弊していたが、嫁達の暖かな視線と労いの言葉(脳内補完)に今日も癒されたのであった。
 長いこと書いてきたが、言いたいことは↑の1文のみである。