爆弾を抱えた右肩
金曜の業務中、形容できない違和感が右肩に走った。
何か、まずいことになっている……!
それだけは厳然たる事実として存在し、後は何もかもブラックボックス状態。
心配性でサボり症の僕としては、この時点で一度眠っておきたかった。
寝るという行為は、人間の身体を修復するに最適であるからだ。
だが社会人は突然床に寝っ転がったりはしない。
もしそんなことをしようものなら、翌日から僕の席は自宅のPC前にしかなくなるはずである。
結局、得も言われぬ不快感を右肩に意識しつつ仕事をするしかなかった。
4時間後、情況は確実に悪化していた。
違和感はいつしか痛みに変わり、やがて吐き気と頭痛へと変化。
右肩と脳みそを直結する神経回路はパンク寸前なまでにエラーコードを吐き続ける始末。
人智を超えた肩こりであった。
いや、肩こりというより、肩痛と言った方が正確だろう。
限界は遠の昔に超えていた。
本当なら肩の血流を良くするために、入念なストレッチと適度な筋トレを行いたいところだった。
肩こりの原因は硬直した筋肉と、滞った血流である。
そしてその原因個所は凝った場所とは離れている場合が多い。
素人はその病巣を発見し揉みほぐすことは困難であり、筋トレとストレッチは非常に有効な手段だ。
だが社会人は会議中に腕立て伏せをしない。
もしそんなことをしようものなら、翌日から僕のあだ名は「草食系男子」から「会議中に腕立て伏せを始めて会社を首になった奴」という、もはやあだ名ではなく事実を口にされているだけになるはずである。
結局、脂汗と涙を流しながら会議に参加し続けるしかなかった。
帰宅後、一思いに肩をもいでしまった方が楽になるんじゃないかと真剣に考えるほどの激痛で格闘することになる。
痛すぎて何もできなかった。
土曜日、一晩眠って少々良くなった肩回りを中心に筋トレをしつつ、エヴァ破を観賞。
途中から筋トレをやめて魅入る。
感想は色々あるけれど、「早く"Q"を観たい」
これに限ると思われる。
エヴァ破。とんでもないものに仕上がっていたのだなあ。
で、日曜の今。
肩は50%ほど解れた模様。
これなら何とか会社にも行けそうだ。
席もあり、ちゃんと名前で呼んでもらえる幸せを実感できる、良い月曜日になりそうである。